講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	532
講演番号	PI-8（学生ポスター賞審査対象）
発表題目	混交林と単一樹種林ではリター分解で生成される有機物の特性は異なるのか？ Do the organic matter produced by litter decomposition differ between mixed forests and single species forests?
所属	名古屋大学大学院
要旨本文	近年、単樹種から成る人工林を混交林へ変換する森林整備が推進されているが、樹種の混合が土壌有機物組成に与える影響については不明な点が多い。そこで、本研究はリター分解プロセスが「単樹種と比べて複数樹種ではどのように変化するのか」というMIX効果を解明することを目的とした。3樹種(カシワ、ケヤキ、クロマツ）の葉と細根について単一樹種、2樹種組み合わせ、3樹種組み合わせの計7種のカラムを用意し、室内分解実験を106週間実施した。リター分解残渣は56週目と106週目に回収し、①重量・炭素（C）・窒素（N）残存率を測定した。また、②固体13CNMRおよび③熱分解GC/MSによる分析を行った。単一樹種の場合と比べ樹種が複数になった場合には、分解残渣に以下の傾向が見られた（つまり以下のMIX効果が見られた）：①重量残存率とC残存率には一定の傾向は見られなかったものの、N残存率は葉では高くなる一方で細根では低くなった；②アルキルC/ O-アルキルC比は、葉では大きくなる一方で細根では小さくなった；③微生物活動の指標となるN化合物は、器官を問わず増加した。以上から、MIX効果はＮ動態に関与するが、その効果には器官差があることが示された。
著者氏名	○柵木香奈穂1 ・ 眞家永光2 ・ Han Lyu3,4 ・ 渡邉哲弘4 ・ 平野恭弘5 ・ 林亮太1 ・ 二村杏太朗1 ・ 谷川東子1
著者所属	1名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 2北里大学獣医学部 ・ 3東京農工大学大学院農学研究院 ・ 4京都大学大学院農学研究科 ・ 5名古屋大学大学院環境学研究科
キーワード	針広混交林, 樹種混合, Py-GCMS
Key word	mixed coniferous forest, mixed species, Py-GCMS