第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PJ-12(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 山地上流域を対象とした流量の時空間変動特性とその支配的な地形条件
Spatiotemporal flow characteristics and their dominant geomorphic conditions of headwear catchments
所属 名古屋大学
要旨本文 本研究は山地上流域の小流域間の水流出特性の違いを把握し、地形要素と水流出特性の関係を評価した。岐阜県郡上市長良川水系亀尾島川支流内ヶ谷流域の支流域(約1km2)内で83流域(2.2×10-2〜6.7ha ;平均:5.1×10-1ha±1.1)、89箇所で、2023年5月から10月まで月1回の頻度で、表流水有無、表流水有の場合は流量、EC、水温を計測し、1mDEMによる地形解析を行った。流域の年平均降水量は3131mm、年平均気温は11.7℃、基岩地質は中生代堆積岩、主な森林植生はスギやヒノキである。2023年7月調査(API7:0.23~0.87mm)では、89箇所のうち流水あり30.3%、流水なし69.7% であった。流水あり割合は、流域右岸側で48.8%、流域左岸側では20.0%であり、平均比流量は右岸側が3.2mm/日、左岸側で0.6mm/日となり右岸側が左岸側より約5倍大きかった。各観測期間の時系列変化から右岸側はECが高い流域が多い傾向がみられた。これらから、山体を形成する堆積岩の流出方位に対する地層傾斜が右岸と左岸で異なり、水流出経路や滞留量や時間の違いから、流量有無、比流量、水質形成に影響を及ぼしたと考えられた。
著者氏名 ○鯉江知樹1 ・ 五味高志2 ・ 田中隆文2 ・ 小谷亜由美2 ・ 猪越翔大2 ・ 中瀬孝3 ・ 津田その子3 ・ 根津涼3
著者所属 1名古屋大学農学部 ・ 2名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 3中部電力
キーワード 水流出, 数値標高モデル, 岩盤流出, 地形解析
Key word runoff, DEM, bedrock groundwater flow, terrain analysis