第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PJ-16(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 気候変動と森林回復が山地流域の流出に与える影響-93年間のデータ分析
Impact of Climate Change and Forest Recovery on Mountain Catchment Runoff: A 93-year data analysis
所属 東京大学
要旨本文 山地流域で降雨流出応答を明らかにすることは水資源の利用や治山・防災において欠かせない。白坂流域では、はげ山が多い地域で1930年に観測が開始され、長期間の降雨流出データは、森林の回復と気候変動の両方の影響を受けてきたと考えられるが、これまで両方の影響を検討した研究はほとんどない。本研究では、白坂流域の水流出の長期変化に影響を及ぼす要因を明らかにするため、まずは森林や表土層厚などの場の条件と、気象など外力の条件の変化を把握する。次に、植生等の情報がある1960年以降について、森林の変化と気象の変化の影響を10年ごとに定量的に評価する。材積や表土厚さなどの場の条件は期間を通じて増加する傾向があった。気温や日射量なども増加する傾向があった。ところが降水量や流出量などの水文指標の長期的な増減は明瞭でなく、周期的な変化があった。外力の変化は1960年から2020年代までほぼ一貫して蒸発散量を増加させた。場の変化は2000年代までは蒸発散量を増加させたが、2000年代以降は減少させた。これはナラ枯れが発生した時期と一致することから、ナラ枯れが流域の蒸発散量を減少させたと考えられる。
著者氏名 ○卑依璠1,2 ・ 浅野友子1,2
著者所属 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林生態水文学研究所
キーワード 気候変動, 森林の回復, 時系列解析, 蒸発散, 降雨流出
Key word Climate Change, Forest Recovery, Time Series Analysis, Evapotranspiration, Rainfall-Runoff