第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PJ-27(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 水の安定同位体比を利用した渓畔湿地と斜面における樹木の水利用特性の比較
Comparison of water use characteristics of trees in riparian wetland and slopes using stable isotope ratios of water
所属 京都府立大学
要旨本文 地中の水が土壌中の小さい孔隙に強固に結合していて植物に利用される土壌水と、より大きい孔隙を通り河川へと移動していく地下水の2つに分かれて存在しているという説がTwo Water Worlds仮説である。これまでのこの説にしたがった水の分画の報告は乾燥地域や乾季の存在する地域での研究が多く、湿度の高い温帯地域でこの仮説を調査したデータは少ない。本研究では一部に湿地帯となっている地域が存在する桐生水文試験地において調査を行い、TWWs仮説にしたがった水の利用が観測されるかを検証した。試験地内に存在する湿地帯と斜面のヒノキ林において、土壌水と樹木の枝内の水を採取し、同位体比から算出されるlc-excess値を比較することで、水利用特性を検討した。斜面においては土壌水・植物水ともに降水や地下水と比較して小さいlc-excess値が得られ、斜面のヒノキが不飽和層の土壌水を利用していることが示された。一方湿地では試料と降水・地下水の間にlc-excess値の違いはみられなかった。そのため、湿地帯においては樹木が利用している水と地下水には区別が存在しない可能性が考えられる。
著者氏名 ○浅野理久郎1 ・ 勝山正則2
著者所属 1京都府立大学生命環境学部 ・ 2京都府立大学大学院生命環境科学研究科
キーワード 水の安定同位体, two water worlds仮説, 渓畔湿地, 土壌水, 植物水
Key word staple water isotopes, two water worlds hypothesis, riparian wetland, soil water, plant water