講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	532
講演番号	PJ-3
発表題目	生育基盤盛土に植栽されたクロマツの根返り耐性と根系分布の関係 Relationships between stability of Pinus thunbergii planted in berms built as growth bases and their root systems
所属	森林総合研究所
要旨本文	東日本大震災津波を受けた海岸林では、高い地下水位のために根が深く成長しなかった樹木に根返りが多く認められた。そのため、その後の海岸林再生では、十分な土層厚を確保するために盛土が多く適用された。しかし、東日本大震災以前には、盛土を伴う海岸林造成の事例は少なく、海岸林の盛土に植栽された樹木、特に根の成長に関する知見は少ない。このことから本研究では、盛土を伴い造成された海岸林において、クロマツの根系分布と根返り耐性との関連性を明らかにすることを目的とした。約1.5 m間隔の正方格子状（1haあたり5000本）に盛土に植栽され、7～9年が経過した12個体のクロマツを調査対象とした。クロマツの根系は、地際での幹の中心から水平距離50cm以内に多くが分布した。12個体の内の9個体において、水平距離50 cm以内の根の体積割合は90%以上となり、隣接個体同士の根が影響しあう様子はほとんど観察されなかった。根系体積と根返り耐性（限界回転モーメント）の関係は直線によって良好に近似することができた。深さ方向への根の分布が多い個体では、他の個体と比較して、根系体積に対する根返り耐性が高い傾向が見られた。
著者氏名	○野口宏典1 ・ 小野賢二2 ・ 新田響平3 ・ 平野恭弘4 ・ 谷川東子5
著者所属	1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 3秋田県林業研究研修センター ・ 4名古屋大学大学院環境学研究科 ・ 5名古屋大学大学院生命農学研究科
キーワード	海岸林, クロマツ, 根返り, 生育基盤盛土
Key word	Coastal forest, Pinus thunbergii, Uprooting, Berm built as growth bases