第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PJ-34
発表題目 釜淵森林理水試験地における小規模施業後の浮遊土砂流出
Suspended Sediment Discharge after Small-scale Forest Operation in the Kamabuchi Experimental Watershed
所属 森林総合研究所
要旨本文 森林総合研究所の釜淵森林理水試験地(山形県)では、2018年秋に2号沢と4号沢で小規模な施業が行われた。この施業による浮遊土砂流出への影響を明らかにするため、約4年間、渓流の浮遊土砂流出量を調査した。2号沢では尾根沿いに作業道が開設されたが、浮遊土砂流出の明らかな増加は認められなかった。一方、4号沢では谷近くへ作業道が開設され、その近傍で小面積の間伐が行われたが、施業当年に多量の浮遊土砂流出が生じていた。この結果の違いは、2号沢では作業道が渓流から遠く離れているのに対し、4号沢では作業道が渓流源頭部に近く、さらに施業中にまとまった降雨があったためと考えられる。4号沢では、施業翌年まで大雨時の浮遊土砂流出が多い状況であったが、3年目以降は施業のない3号沢と同程度まで減少した。浮遊土砂の減少は、裸地だった作業道がリターや植生によって被覆されたためと推察されるが、回復に要する時間には、作業道のルートや勾配などの設計も影響すると考えられた。
著者氏名 ○阿部俊夫1 ・ 久保田多余子2 ・ 小川泰浩2 ・ 延廣竜彦1 ・ 野口享太郎2 ・ 村上亘2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
キーワード 浮遊土砂, 作業道, 小面積間伐, 釜淵森林理水試験地
Key word suspended sediment, spur road, small-area thinning, Kamabuchi experimental watershed