第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PJ-38
発表題目 山地斜面の土層・基岩層における間隙空気圧の挙動について
Behavior of pore-air pressure in soil and bedrock layers on mountainous slopes
所属 森林総合研究所
要旨本文  斜面内の間隙空気の挙動については室内実験や数値シミュレーションにおいて流出応答との関連が指摘されているものの,現地観測によりそのプロセスを示した例は未だほとんど無いと言える.降雨時に浸透する雨水と地下水面あるいは不透水層によって間隙空気が土層内あるいは風化した基岩層の内部に封入される場合があり,こうして形成された封入空気は濡れ前線の下降や地下水面の上昇によって加圧されるものと考えられる.地中水の移動は斜面内の圧力勾配によるところが大きく,封入空気の形成と加圧は圧力勾配に影響を及ぼし,流出の増大へとつながる可能性がある. 著者らは,森林小流域の山地斜面において,土層内・基岩層内の間隙空気圧を測定することで封入空気の形成と加圧について観測を行ってきた.間隙空気圧と大気圧の差圧に注目すると,無降雨時には間隙空気圧と大気圧が平衡状態にあるため差圧が0に近く,正の差圧が生じた際には封入空気の形成とその加圧が起きていると考えられる.本発表では封入空気の加圧に対する地下水位変動の影響や,斜面内の封入空気が形成される箇所と地質の関係について検討した結果について報告する.
著者氏名 ○岩上翔1 ・ 野口正二2 ・ 清水貴範1 ・ 久保田多余子1 ・ 飯田真一1 ・ 小田智基1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2国際農林水産業研究センター
キーワード 間隙空気圧, 土層, 基岩層, 降雨流出過程
Key word Pore-air pressure, Soil layer, Bedrock layer, Rainfall-runoff process