第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PJ-46 |
発表題目 | 日本全国における森林渓流水水質の空間分布 Spatial distribution of mountain streamwater chemistry in Japan |
所属 | 総合地球環境学研究所 |
要旨本文 | 山地源流域の河川水水質は森林の状態を知る有効な指標であり、下流の生態系にも影響を及ぼすことから、水質の空間分布や決定機構の解明は重要である。本研究では様々な環境下にある日本全国の山地渓流1429本にて水質調査を行い、水質形成メカニズムを検討した。採水は、京都大学フィールド科学教育研究センター主催の市民参加型のプロジェクト『山の健康診断』によって2022年6月から11月の間に行われ、pH、アルカリ度、電気伝導度、主要無機イオン濃度が測定された。また、各採水地点における窒素(N)降下量、気候、地質等の環境要因を求め、各水質項目に対して寄与度の高い要因を規定要因として、機械学習を用いて抽出した。渓流水硝酸(NO3-:流出しやすいNの形態)濃度は都市近郊以外でも高い地域が見られ、乾性N降下量や気温、降水量、さらにカルシウム(Ca)濃度やマグネシウム濃度によっても規定されていた。Ca濃度やアルカリ度は石灰岩の割合や主要な海溝型地震、集水域の傾斜等によって規定され、NO3-濃度と正の相関を示した。これらのことから、断層付近等の地盤の脆い山地では炭酸カルシウムが風化して土壌pHが上昇し、硝化とNO3-流出が促進された可能性が考えられた。 |
著者氏名 | ○牧野奏佳香1,2 ・ 徳地直子2 ・ 赤石大輔5,2 ・ 小山里奈3 ・ 駒井幸雄2 ・ 板谷佳美3 ・ Nay Lin Maung4 |
著者所属 | 1総合地球環境学研究所 ・ 2京都大学フィールド科学教育研究センター ・ 3京都大学大学院情報学研究科 ・ 4京都大学大学院農学研究科 ・ 5大阪産業大学環境理工学科 |
キーワード | 森林渓流水水質, 広域, 分布, 環境要因, カルシウム |
Key word | mountain streamwater chemistry, broad area, distribution, environmental factor, calcium |