第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PJ-47
発表題目 スギ人工林土壌中の放射性同位体濃度の鉛直分布
Vertical distribution of radioisotope concentrations in the soil of an artificial cedar forest
所属 公益財団法人 環境科学技術研究所
要旨本文  本研究では、青森県六ケ所村にあるスギ人工林(林齢:45年)において、土壌間隙水中のトリチウム(3H)、土壌中の放射性炭素(14C)、セシウム(137Cs)及び鉛(210Pbex)濃度の鉛直分布を調査した。2022年9月に林内の3地点で、土壌を表層から深さ10 cmまで2 cm間隔、続いて深さ40 cmまで5 cm間隔で採取した。土壌の乾燥は、真空乾燥法により行い、同時に水を捕集した。土壌間隙水中3H濃度は、0~2 cm、8~10 cm及び20~25 cmの層で高い傾向を示した。この土壌間隙水中3H濃度の鉛直変化は、林内降水中3H濃度の時間変化を反映していると考えられる。土壌の210Pbex濃度は、表層から深さ15 cmまで指数関数的に減少した。この結果は、深さ約15 cmまでの土壌に鉛直混合が起きていないことを示している。土壌の14C濃度は、2~6 cmの層で最大値を示し、それ以深では深さ20 cmまで直線的に減少した。同様に、土壌の137Cs濃度は、2~4 cmの層で最大値を示した。土壌表層では鉛直混合が起きていないことを考慮すると、表層付近における14C及び137Cs濃度のピークは、大部分は大気圏核実験の影響によるものであろう。本研究は、青森県からの受託事業により得られた成果の一部である。
著者氏名 ○今田省吾 ・ 柿内秀樹 ・ 永井勝
著者所属 環境科学技術研究所環境影響研究部
キーワード トリチウム, 放射性炭素, 放射性鉛
Key word tritium, radiocarbon, radiolead