第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PJ-51
発表題目 スギ・ヒノキ林樹冠上の大気O3濃度とH2O・CO2交換量の関係について
Relationship of atmospheric ozone concentration with H2O/CO2 fluxes above Japanese cedar/cypress forest canopy
所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構
要旨本文 大気中のCO2濃度の上昇により、森林の樹木の水利用効率は上昇し、CO2吸収能が増加・蒸散が減少する傾向になると予測されている。一方、地表面~10km程度の高度までの対流圏では、O3(オゾン)濃度も上昇傾向にある。高オゾン濃度環境では植物の水利用効率は低下することが知られているが、苗木を用いた暴露実験などから、スギ・ヒノキはオゾン感受性が低く、オゾン濃度上昇による光合成能への影響は概して小さいと考えられている。そこで本研究では、現地森林の挙動を調査するために、東京都心から約60kmの地点にある関東地方のスギ・ヒノキ林の樹冠上でCO2フラックスの観測と同期してオゾン濃度の観測を4ヵ月間実施し、これらのデータを比較した。オゾン濃度は日ごとに変動しながら日変化しており、日内では正午から夕刻の間に最大になることが多かった。2月~3月で高オゾン濃度が観測された日には、日中のCO2吸収量が若干低下する傾向が見られた。ただし、この傾向は4月~5月には明瞭ではなくなった。このことから、スギ・ヒノキ林でも冬から春にかけての一時期に、高濃度のオゾンによるCO2吸収能への影響が生じる可能性があると考えられた。
著者氏名 ○清水貴範1 ・ 飯田真一1 ・ 壁谷直記2 ・ 宮沢良行3 ・ 植山雅仁4 ・ 熊谷朝臣5
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所 ・ 3九州大学キャンパス計画室 ・ 4大阪公立大学大学院農学研究科 ・ 5東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード オゾン濃度, フラックス観測, スギ・ヒノキ林
Key word Ozone concentration, Flux measurement, Japanese cedar/cypress forest