第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PJ-53 |
発表題目 | 異なる気候帯に生育するブナの葉の特性とガス交換 Gas exchange and leaf characteristics of Japanese beech (Fagus crenata) in different climate zones |
所属 | 日本大学 |
要旨本文 | ブナ(Fagus crenata)は日本の冷温帯を代表する樹種の1つであるが、地球温暖化の影響により本州の低標高域のブナ林は大幅に減少する予測が報告されている。一方、ブナは暖温帯でも生育していることが報告されている。筆者らは、冷温帯より高温で乾燥する暖温帯で生育するブナは、ガス交換および葉の形態を適応させ、その環境に順化している可能性があると考えている。本研究では、暖温帯の環境下で生育しているブナのガス交換特性および葉の形態的形質が、冷温帯のものに比べどのような違いがあるか実証的に評価するため、冷温帯の水上試験地と暖温帯の藤沢試験地に植栽されたブナ成木の個葉の光合成速度と蒸散速度を測定し、葉の形態的な特徴を調べた。個葉のガス交換の測定は携帯用光合成・蒸散測定装置を使用して、2023年の着葉期において月に1回程度の頻度で行われた。その結果、測定期間における光合成速度および蒸散速度の最大値は水上試験地より藤沢試験地で大きかったが、水利用効率は藤沢試験地より水上試験地で若干大きかった。水上試験地について、葉面積は藤沢試験地の約2倍大きいが、葉面積当たりの乾燥重量 (LMA)は藤沢試験地の半分程度であることが示された。 |
著者氏名 | ○小坂泉 ・ 畑岸萌香 ・ 白井琴乃 ・ 生田海斗 ・ 定元太智 ・ 瀧澤英紀 ・ 阿部和時 |
著者所属 | 日本大学生物資源科学部 |
キーワード | ブナ, 葉の形態形成, 光合成速度, 冷温帯, 暖温帯 |
Key word | Fagus crenata, Leaf morphogenesis, Photosynthetic net assimilation rate, Cool temperate zone, Warm temperate zone |