第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PL-11
発表題目 河川敷がニホンジカの生活環に重要な役割を果たしている
.Riparian fields play an important role in the lifecycle of Sika deer.
所属 山梨県森林総合研究所
要旨本文 中山間地域ではニホンジカの増加によって、森林だけでなく集落周辺にも頻繁に出没するようになり、住民の生活にも大きな影響を与えている。集落周辺でニホンジカがどのような生活環を持っているか把握することは対策を考えるうえで大切である。ニホンジカは森林性の動物であるが、比較的広い川幅を持つ河川の河川敷は平らな地形に木立と草原がモザイク状に形成されているため、ニホンジカにとって利用価値の高い場所になっている可能性がある。しかしニホンジカがいつどのように、どの程度利用しているか実態は把握されていない。本研究では、峡南地域の富士川沿線において、ニホンジカがどのような生活環をもっているか明らかにすることを目的とした。2021年5月から山林、河川敷、田畑に設置した合計16台のカメラでタイムラプス撮影を行い、ニホンジカの出没傾向を解析した。その結果河川敷はニホンジカに高頻度に利用されており、利用時期に周期性が認められた。河川敷の中でも場所によって利用時期に違いがあり、出産期や繁殖期に利用が増加する場所も複数あった。以上のことから河川敷はニホンジカの生活環に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
著者氏名 ○林耕太
著者所属 山梨県森林総合研究所
キーワード ニホンジカ, 河川敷, 繁殖地, 出産地
Key word Sika deer, riparian field, breeding place, calving place