第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | 2024年3月10日 |
---|---|
開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PL-22 |
発表題目 | ミズナラ丸太による青森県産カシノナガキクイムシの飼育試験 Lower threshold temperature and total effective temperature for the development of Platypus quercivorus in oak logs |
所属 | (地独)青森県産業技術センター林業研究所 |
要旨本文 | 2016年に青森県西津軽郡深浦町で発生したブナ科樹木萎凋病(ナラ枯れ)被害は2023年現在も増加を続け、青森県中西部の9市町村でナラ枯れ被害が発生している。今後のナラ枯れ被害の拡大を検討するため、カシノナガキクイムシ(カシナガ)を、温度条件を変えて飼育し、カシナガの定着が可能な地域を抽出することとした。供試したカシナガは深浦町産であり、東津軽郡平内町の林分から採取した胸高直径18.5 cmのミズナラを飼育に用いた。ミズナラ主幹を約25cmの長さに玉切りし、7日間浸水させ、木口面をパラフィンで封じた。各丸太にカシナガを10ペア接種し、メスによるフラスの排出が確認されたものを交尾成功とした。交尾成功率が高い接種丸太を6温度条件(18℃、20℃、23℃、25℃、27℃、30℃)で飼育し、羽化日数及び羽化個体数を記録した。飼育の結果、23℃を除く5温度でフラスの排出から羽化までが中断なく観察された。5温度の初発日から、発育零点は11.5℃、初発までの有効積算温量は1,175日℃と示された。以上から、青森県内において、上北及び下北地域を除く低標高地域で、カシナガの定着が可能な温量を達成しており、三八地域などの未被害地でも定着可能と思われた。 |
著者氏名 | ○伊藤昌明 |
著者所属 | 青森県産業技術センター林業研究所 |
キーワード | ブナ科樹木萎凋病, カシノナガキクイムシ, ミズナラ, 発育零点, 有効積算温量 |
Key word | Japanese oak wilt, Platypus quercivorus, Quercus crispula, Lower Threshold Temperature, Total Effective Temperature |