第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PL-24 |
発表題目 | フクギの枝と葉柄に穿孔するフクギノコキクイムシの繁殖生態 Reproductive ecology of Cryphalus garciniae attacking branches and petioles of Garcinia subelliptica. |
所属 | 一般財団法人沖縄美ら島財団 |
要旨本文 | フクギノコキクイムシCryphalus garciniae (以下、本種)はフクギの樹皮下穿孔虫であるが、枝だけでなく葉柄にも坑道を形成する。生葉に穿孔して落葉を起こすこともある。しかし、各営巣場所における本種の生態の詳細は不明である。そこで、本研究では繁殖パラメータを定量化し、その生態の一端を明らかにした。 2021年4月~22年の12月、沖縄島において、フクギ調査木の樹下に、誘引目的の切り枝を吊るし、リタートラップも設置した。切り枝と落葉を約2週間おきに採取して切開し、坑道内における雌雄の成虫の有無、産卵数、次世代の発育段階、坑道長等を調べた。 フクギの葉柄内において、枝内よりも本種の坑道長は短く、産卵数は少ない傾向にあった。したがって、本種は葉柄で繁殖できるものの次世代数は減少すると考えられた。Cryphalus属の他種では、クワ科パンノキ属の葉柄内の同じ坑道内において、3つの異なる発育段階(例えば、幼虫、蛹、新成虫)が共存するとの報告があるが、本種では207個中4個の坑道でしか確認されなかった。また、他種と異なり、本種は葉柄の基部のみに穿孔し、葉柄1本あたりの坑道数は最大で2個(他種は8個)であること等が明らかとなった。 |
著者氏名 | ○辻本悟志1 ・ 亀山統一2 ・ 辻本文香3 ・ 梶村恒4 |
著者所属 | 1一般財団法人 沖縄美ら島財団植物研究室 ・ 2琉球大学農学部 ・ 3沖縄科学技術大学院大学 ・ 4名古屋大学大学院生命農学研究科 |
キーワード | 樹皮下穿孔性キクイムシ, フクギ, 繁殖生態, 坑道形成, 琉球諸島 |
Key word | bark beetle, Garcinia subelliptica, Reproductive ecology, gallery construction, the Ryukyu Islands |