第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PL-3(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 捕食者の非消費型効果がシカの行動形質と時空間的活動に及ぼす影響
Human non-consumptive predator effects on deer behavioral traits and spatio-temporal activities
所属 東京大学
要旨本文  近年、ニホンジカ(以下、シカ)の密度増加に伴い生息地が都市近郊まで拡大しており、シカの人への恐怖の喪失が指摘されている。一方で、人間が野生動物に及ぼす致死的な影響から、野生動物は人間をリスクとして認識し行動や生息地利用を変化させている。そこで、本研究では、”人に対する恐れ”のような捕食者(人間)の非消費型効果がシカに見られるかどうかを明らかにすることを目的とし、野外音声実験により人間活動がシカの行動形質と時空間的活動をどのように変化させているのか調べた。東京大学秩父演習林滝川流域・入川流域内の40地点に自動撮影カメラを設置し、内20地点を音声区、残り20地点を無音区とした。各流域の音声区には赤外線センサーに反応して音声が放送されるスピーカーを設置し、狩猟を模した音声と対照としてサルの音声を約70dBで約3週間放送した。撮影頻度指数RAIを地点ごとに算出した結果、狩猟音声放送期のRAIの平均値は実験前に比べて低くなったが、一方でサル音声放送期では高くなり、音声の違いによるシカの撮影頻度の違いが見られた。
著者氏名 ○玉木麻香 ・ 平尾聡秀
著者所属 東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード 恐怖の生態学, 音声実験, 自動撮影カメラ, 人間活動, ニホンジカ
Key word ecology of fear, playback experiment, camera traps, human activity, Cervus nippon