第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PL-30 |
発表題目 | カブトムシ幼虫による木材分解能力の解明 Elucidation of wood decomposition ability by larvae of the rhinoceros beetle Trypoxylus dichotomus. |
所属 | 東京農業大学 |
要旨本文 | 里山環境の維持には樹木の定期的な伐採が不可欠であり、伐採で生じる木材の処理、利用方法の検討が急がれている。カブトムシの幼虫は腐葉土を摂食するとされるが、間伐材をチップ化した堆積物に多数の生息が確認されている。本研究では里山の主要な構成種であるコナラ、クヌギ、イヌシデの間伐材を用いて、粉砕したチップを3月から2カ月毎に堆積し、堆積時期、樹種の違いがカブトムシ幼虫の生息および木材の分解量に及ぼす効果を評価した。 分散分析の結果、秋のカブトムシ幼虫の生息数、個体重量、堆積2カ月のチップ体積は、チップ堆積月、樹種で有意な差はなかったが、堆積4カ月のCN比減少率、堆積初期発酵温度は、堆積月による有意な差が検出され、特に5月堆積チップのCN比減少率、初期発酵温度が高かった。重回帰分析の結果、幼虫の生息数、重量とCN比、体積減少に関連はなかった。また、未分解のコナラチップを用土に幼虫を屋内飼育した結果、若齢幼虫は生存できず、3齢幼虫初期から飼育すると成長が抑制された。これらの結果から、カブトムシ幼虫は未分解の材を分解する能力は低く、間伐材のチップ堆積は5月頃に行うことで分解が促進できると考えられた。 |
著者氏名 | ○福田澪李 ・ 三井裕樹 |
著者所属 | 東京農業大学大学院農学研究科 |
キーワード | 二次林, 木材分解, カブトムシ, CN比 |
Key word | secondary forests, wood decomposition, Trypoxylus dichotomus, CN ratio |