第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PL-4(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 糞粒法に用いるノウサギの糞消失に影響を与える要因の検討
Examination of the factors affecting disappearance of hare feces used for pellet counts
所属 宮崎大学大学院
要旨本文 ノウサギの密度推定に用いる糞粒法では、糞の消失率を考慮して調査間隔を約30日で設定する事例が多いが糞虫などの影響から数日で糞が消失するという報告もある。本研究では、ノウサギによる植栽木被害及び糞粒法を用いた生息密度推定を行っている林分で糞の残存率を確認するために、人工的に糞を設置して糞の残存数及び消失要因を調べ、調査間隔の設定について検討した。 実験は現地で採取し冷凍保存していた糞を用いて2023年夏季(8月下旬~11月上旬)・冬季(11月上旬~1月上旬)にスギ林2カ所・ヒノキ林1カ所で行った。カゴを用いて糞虫による消失を防止したプロットとカゴの無いプロットを1カ所ずつ設置し約1週間毎に残存数を記録した。冬季には定点カメラも設置し消失過程の記録も行った。 カゴ有りプロットでは全林分で夏季・冬季ともにほぼ全ての糞が残存していた。カゴ無しプロットでは夏季において設置後1~3週間で全糞が消失していた。冬季では30日経過後1林分で残存率が73%まで減少したが他林分では全ての糞が残存していた。 夏季の糞消失は雨による流出が要因だと考えられ、多雨時期では30日の調査間隔では生息密度を過小評価する可能性が考えられた。
著者氏名 ○中川恵翔1 ・ 平田令子2 ・ 伊藤哲2
著者所属 1宮崎大学大学院農学研究科 ・ 2宮崎大学農学部
キーワード 糞粒法, 糞消失率, スギ林, ヒノキ林
Key word pellet counts, disappearance rate of hare feces, Sugi plantation, Hinoki plantation