第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PL-7(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 落葉樹天然林の針葉樹人工林化による有剣ハチ群集のデトリタス依存度の増加 Conversion of natural forests to coniferous plantations increases detritus dependency of Aculeata communities |
所属 | 九州大学 |
要旨本文 | 人工林が動物群集に与える影響は、生食とデトリタス食物網の間で異なる可能性がある。本研究では、宮崎県の落葉広葉樹天然林(天然林)と2つの針葉樹人工林(スギ林、ヒノキ林)において、異なる食物資源を餌とする有剣ハチ群集を調査することで、この違いを調べた。1ha以上の天然林4サイト、スギ林5サイト、ヒノキ林3サイトを設定し、4月(展葉前)5月(展葉後)、7月、9月に調査を行った。有剣ハチはイエローパントラップを用いて収集された。調査の結果、天然林に比べ人工林の有剣ハチ群集の個体数と種数が少なく、デトリタス依存度が増加していたことが明らかになった。生食依存種の餌資源である樹種の多様性の低下や、葉が硬く利用しにくいなどの理由で、生食依存種が著しく減少したと考えられる。また、スギ林とヒノキ林でも群集構造が異なり、ヒノキ林で得られた種は出現期間が長く餌資源の季節的遍在が少ないこと、体長が大きく採餌範囲が広いことが示唆された。スギ林とヒノキ林の違いは、リター蓄積の違いなど樹種特有の特性の影響を受けている可能性がある。 |
著者氏名 | ○上森教慈1 ・ 菱拓雄2 |
著者所属 | 1九州大学大学院生物資源環境科学府 ・ 2九州大学農学部附属演習林 |
キーワード | 昆虫群集, 機能形質, スギ人工林, ヒノキ人工林 |
Key word | Insect community, Functional trait, Plantation of Cryptomeria japonica, Plantation of Chamaecyparis obtusa |