第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PL-8(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 スギ・ヒノキ丸太へのエタノール注入によるキクイムシ穿孔様式の劇的な変化
Drastic change in boring patterns of ambrosia beetles by ethanol injection into Japanese cedar and Japanese cypress logs
所属 名古屋大学
要旨本文  養菌性キクイムシの一部の種は、エタノールの揮発成分に強く反応する。実際に、エタノールを誘引剤とするトラップで養菌性キクイムシが捕獲されてきた。近年では、エタノール注入木を用いた養菌性キクイムシの穿孔試験が防除法開発の点からも世界的に注目されているが、日本国内の研究例は皆無である。そこで本研究では、2023年の5・6・7・9月に、スギとヒノキの生立木を伐倒・玉切り後、丸太の樹幹にドリル穴を開けてエタノールを注入し、無処理の丸太とともに設置した。約一ヶ月後、各丸太を回収・割材して養菌性キクイムシの種同定と穿入孔の計数を行った。 両樹種ともに、ほぼ全ての穿孔がハンノキキクイムシとトドマツオオキクイムシによるものであった。各丸太の樹幹表面を4分割して穿入孔数を比較すると、エタノール注入穴を含む面は、有意差はないものの、無処理丸太の同じ面に比べて増加していた。同一木内では、5月設置丸太のハンノキキクイムシにおいて、エタノール注入穴を含む面の穿入孔数が他の3面よりも有意に多かった。また、木口にも穿入孔が確認され、やはりエタノール注入穴を含む面に多い傾向にあり、心材に直接穿孔することも判明した。
著者氏名 ○中山直紀1 ・ 梶村恒2
著者所属 1名古屋大学農学部 ・ 2名古屋大学大学院生命農学研究科
キーワード ハンノキキクイムシ, トドマツオオキクイムシ, エタノール誘引, 穿入孔, 木口面
Key word Xylosandrus germanus, Euwallacea validus, ethanol attraction, entrance hole, transverse section