第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
微生物部門[Forest Microbes]
日付 | 2024年3月8日 |
---|---|
開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PM-14(学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 種内系統と交配型の分布から探る暗色雪腐病菌の繁殖様式 The distribution of intraspecific groups and mating type of Herpotrichia juniperi |
所属 | 東京大学大学院 |
要旨本文 | 日本産の暗色雪腐病菌は遺伝的に分化した複数の種内系統を持ち,有性世代は確認されていないが,各系統内で有性生殖を行う可能性が指摘されている.本研究では,暗色雪腐病菌の種内系統の分布と繁殖様式を解明することを目的として,翻訳伸長因子領域(TEF)に基づく系統解析と交配型遺伝子座の解析を行った.系統解析の結果,北海道,青森県,長野県の計8調査地から採取した326菌株は3つの種内系統(系統1–3)に分けられた.これらの系統は,各調査地内で同所的に分布していた.各調査地における系統1と3の相対存在量とリター層pHの間にはそれぞれ正と負の相関がみられたことから,土壌環境が種内系統の分布に影響する可能性が示唆された.次に,暗色雪腐病菌のゲノムデータから交配型遺伝子座を特定したところ,本菌はゲノム上に2つの交配型(MAT1-1,MAT1-2)のいずれかを保持するヘテロタリックな種であることが明らかになった.また,北海道の1調査地を対象に,各系統内の交配型の比率を調べたところ,いずれの系統も2つの交配型が等しく存在したことから,暗色雪腐病菌は種内系統内で有性生殖を行っていると考えられた. |
著者氏名 | ○岩切鮎佳1 ・ 松下範久1 ・ 升屋勇人2 ・ 福田健二1 |
著者所属 | 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 |
キーワード | 雪腐病, 天然更新, 更新阻害 |
Key word | snow blight, natural regeneration, inhibition of regeneration |