第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
微生物部門[Forest Microbes]
日付 | 2024年3月10日 |
---|---|
開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PM-20 |
発表題目 | 地質ボーリングコアを用いた菌根菌埋土胞子の生存期間の探索 Estimate survival periods of mycorrhizal fungal spores using boring cores |
所属 | 東京大学 |
要旨本文 | マツ科やブナ科などの樹木は外生菌根菌(以下、菌根菌)と共生する。一部の菌根菌は埋土胞子を形成し、攪乱後の樹木実生の定着を支えているが、埋土胞子の生存期間に関する知見は乏しい。日本の砂浜海岸には古くからクロマツが生育しており、津波の通過時にクロマツ林の土壌が混入する。そのため、津波堆積物中には数十年から数百年前のクロマツ林土壌が堆積している。本研究では、過去の津波堆積物中の菌根菌の埋土胞子を調査し、非常に長い時間スケールでその生存期間を探ることを目的とした。青森県関根浜と岩手県小谷鳥のボーリングコア中に確認されている過去の津波堆積物層と、その前後の堆積層から土壌試料を採取し、クロマツを用いてバイオアッセイ試験を行った。クロマツ苗に形成された菌根をDNA解析することで菌種を同定した。その結果、2011年の東日本大震災による津波堆積物やそれよりも新しい堆積層から、Suillus、Rhizopogon、Wilcoxinaの菌根形成が確認された。一方、これより古い1896年の津波堆積層では菌根形成が見られなかった。以上の結果より、一部菌根菌の埋土胞子は10年程度感染性を維持できるものの、100年以上生存することは難しいことが示唆された。 |
著者氏名 | ○田中友啓1 ・ 石川陽1 ・ 石村大輔2 ・ 花岡美保1 ・ 阿部寛史1 ・ 奈良一秀1 |
著者所属 | 1東京大学大学院新領域創成科学研究科 ・ 2首都大学東京都市環境学部 |
キーワード | 菌根菌, 津波堆積物, 胞子 |
Key word | Mycorrhizal fungi, Tsunami deposits, fungal spores |