第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PM-24
発表題目 カラマツ類次代検定林で発生したならたけ病-被害の家系差に注目して-
Armillaria root rot occurred in progeny trial forest -focus on the susceptibility of each familiy-
所属 北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場
要旨本文 ならたけ病はナラタケ属による根株腐朽病であり、カラマツ類造林における重要病害の一つである。北海道ではカラマツ類の植栽需要が高まっており、カラマツのほか、野鼠害耐性に優れるグイマツ雑種F₁の植栽が急拡大している。一方で、ならたけ病に対するカラマツ類の感受性の違いについては不明な点が多く、ならたけ病の被害抑制に向けたカラマツ類の感受性把握が重要である。2018年植栽のカラマツ類次代検定林1ヵ所(約0.6ha)で2021年からならたけ病による枯損被害が発生している。この試験地では、カラマツやグイマツ雑種F₁の遺伝的特性を調べるため親の異なる「家系」単位で植栽されており、被害状況に樹種・家系間差等があるのか検証した。2022年10月に新規枯死木5個体から菌体を分離し、DNA上のEF-1α領域にて種同定したところ、すべてがArmillaria ostoyaeであった。カラマツとグイマツ雑種F₁で被害を比較したところ、グイマツ雑種F₁の枯死率が有意に高かった。また、被害木の発生場所は前年までの被害木の周辺に多く、地形によっても異なる可能性があった。このことから、カラマツ類のならたけ病では樹種によって感受性や発生環境が異なることが示唆された。
著者氏名 ○和田尚之1,5 ・ 石塚航2 ・ 竹内史郎3 ・ 内田葉子1 ・ 德田佐和子4 ・ 斎藤秀之6
著者所属 1北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場 ・ 2北海道立総合研究機構 ・ 3北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場道北支場 ・ 4北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場道南支場 ・ 5北海道大学大学院農学院 ・ 6北海道大学大学院農学研究院
キーワード ツバナラタケ, クリーンラーチ, 抵抗性育種
Key word Armillaria ostoyae, Clean Larch, breeding for resistance