第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
微生物部門[Forest Microbes]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PM-25 |
発表題目 | 日本におけるマツ類赤斑葉枯病菌の分子同定 Molecular-based identification of the pathogen of Dothistroma needle blight of pines in Japan |
所属 | 森林総合研究所 |
要旨本文 | マツ類赤斑葉枯病は世界的に被害が拡大して問題となっている病害であり、病原菌はDothistroma piniまたはD. septosporumである。両種は分子同定のみから識別可能であり、D. septosporumの方が世界的に広く分布する。赤斑葉枯病は日本でも発生しているが,日本の病原菌がどちらの種に属するかは明らかにされていない。そこで、2017〜2022年に茨城県,山梨県,長野県,鹿児島県の11地点のクロマツから新しく分離された14菌株と、過去に分離され森林総研に保存されている3菌株についてITSまたはelongation factor遺伝子による分子同定を行った結果,1960年に山梨県から分離された1株がD. septosporumであった以外は全てD. piniであった。D. piniについてマイクロサテライトマーカーを用いて解析したところ、同一地点の異なる木から分離された2株が同じ遺伝子型を示したが、それ以外は全て異なる遺伝子型を示した。また、交配型はMAT1-1のみであった。マイクロマーカー解析の結果からはD. piniが日本の土着種である可能性が示唆されるが,本菌が土着種であるか侵入種であるのかを推察するためにはさらなる菌株の収集が必要である。 |
著者氏名 | ○秋庭満輝1 ・ 大澤正嗣2 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2山梨県森林総合研究所 |
キーワード | マツ属, 同定, 赤斑葉枯病 |
Key word | Pinus, identification, Dothistroma needle blight |