第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PM-30
発表題目 カラマツ高齢林1林分における根株腐朽被害
Occurrence of butt rot of old-aged Japanese larch
所属 森林総合研究所
要旨本文 カラマツでは腐朽被害の発生が多く、樹齢の経過とともにその被害率は高くなるとされる。そのため、長伐期施業に伴う被害増加が懸念されるが、樹齢100年以上のカラマツ高齢林での被害調査はわずかである。本研究ではカラマツ高齢林での腐朽被害実態を明らかにするため、120年生カラマツ林で根株腐朽調査を行った。調査地は岩手県内にある約0.2haのカラマツ人工林1林分(標高620m、北向き緩傾斜地)で、皆伐後のカラマツ根株を対象とし、腐朽の有無を調べた。さらに、腐朽が確認された場合には腐朽材を採取し、腐朽菌の分離を行った。その結果、調査根株数に占める腐朽根株の割合は68.4%であった。腐朽はいずれも心材腐朽であり、腐朽初期と思われるものもあった。本研究の腐朽根株の割合は樹齢の異なる過去の腐朽調査事例よりも高く、樹齢の経過とともに新たな被害発生が続いた結果であると推測される。腐朽根株から最も多く検出された腐朽菌はカイメンタケで、分離に供試した腐朽根株の38.7%から検出された。林分内における腐朽被害の発生は集中する傾向にあることが報告されているが、カイメンタケは林分内から広く検出されており、被害が集中する傾向は見られなかった。
著者氏名 ○鳥居正人1 ・ 小岩俊行2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 2岩手県林業技術センター
キーワード カラマツ, カイメンタケ, 高齢林
Key word Larix kaempferi, Phaeolus schweinitzii, old-aged stand