第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
微生物部門[Forest Microbes]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PM-31 |
発表題目 | ナラ枯れ被害発生初期地におけるナラ菌検出技術の確立 Development of the detection technique for Dryadomyces quercivorus in the early stage areas of Japanese oak wilt |
所属 | (国研)森林研究・整備機構・森林総合研究所 |
要旨本文 | ナラ類集団枯損(ナラ枯れ)はカシノナガキクイムシ(Platypus quercivorus)と随伴菌Dryadomyces quercivorus(ナラ菌)により引き起こされる。被害地ではカシノナガキクイムシの大量穿孔により容易にナラ枯れかどうか判断できるが、被害発生初期地では少量の穿孔痕しか見られない場合が多く、他のキクイムシによる穿入と見誤る場合がある。そこで本研究では被害発生初期地で有用なナラ枯れ診断手法を開発した。北茨城にある小川学術参考林を調査地とし、2022~2023年に調査を行った。本調査地は2020年に初めてカシナガが確認された場所であるが、枯死被害は最近まで確認されていない場所であった。カシノナガキクイムシ穿入孔に入るサイズのプラスチック棒を穿入孔に差し入れ、先端に付着した菌をシクロヘキサミド添加選択培地、またはナラ菌種特異的プライマーとプローブで検出した。その結果、選択培地を用いた場合では、ほとんどの穿入孔からナラ菌が検出された。遺伝子による検出では検出限界以下の試料もあったためか、一部検出できなかったが、両方を併用することでより迅速、正確にナラ枯れ診断が可能になると思われる。 |
著者氏名 | ○升屋勇人 ・ 髙橋由紀子 ・ 服部友香子 |
著者所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域 |
キーワード | ナラ菌, ブナ科樹木, PCR, 診断 |
Key word | Dryadomyces quercivorus, Fagaceae, PCR, diagnosis |