第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

特用林産部門[Non-Wood Forest Products]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PN-1
発表題目 寒冷地域におけるマツタケの発生に気象条件が及ぼす影響
Influence of climatic conditions on occurrence of matsutake mushroom in cold region
所属 岩手県林業技術センター
要旨本文  マツタケの子実体発生時期の予測は、良品収穫上重要である。一般に子実体の発生には温度と温度変化が影響し、マツタケは地温に影響される。そこで、岩手県内陸部のマツタケ発生林で、2001年~2006年と2010年~2023年の20年間に発生調査を行った。また、深さ5cmの地温から各調査日の平均地温を算出した。次に、各年で子実体初認日d0からの日数dを算定し、各dを起算日とした2~7日間(算出日数)における日平均地温の最高値と最低値の差を地温差とした。 d0の29~26日前と10~8日前に、複数の算出日数で地温差にピークが見られた。前者は地温が20℃以上の時期で、マツタケの生殖生長条件よりも高温と思われたため、後者に着目したところ、d0の9日前における5日間の地温差のピークが明瞭であり、ピークの地温差と平均地温の平均値は、それぞれ2.5℃と17.5℃だった。8月以降で地温20℃以下かつ5日間地温差2.5℃以上の日は16箇年で出現し、同日からd0までの平均日数d1は13.2日だった。また、d1の標準偏差は地温差1~5℃のうち2.5℃が最小だった。以上より、マツタケの子実体は、秋の地温が17℃前後かつ5日間の地温差が2.5℃以上の日から、13日前後で地上に顕れる可能性が高い。
著者氏名 ○成松眞樹
著者所属 岩手県林業技術センター
キーワード マツタケ, 気象条件, 寒冷地域
Key word Matsutake, Climatic condition, Cold region