第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
特用林産部門[Non-Wood Forest Products]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PN-5 |
発表題目 | 重金属水処理したヒバ材表面における重金属分布とヒノキチオール錯体形成 Distribution of heavy metals and detection of Hinokitiol metal complex on Hiba wood surfaces treated with mine water |
所属 | (国研)森林機構 森林総合研究所関西支所 |
要旨本文 | 鉱山跡地では坑水の重金属処理が必要となっている場合が多い。これまで重金属吸着素材として植物資材が試行されている。一方、地域特産樹種のヒバに含まれるヒノキチオールは、重金属錯体形成し沈殿生成するため、ヒバ材による重金属吸着の可能性が考えられる。本研究では、心材にヒノキチオールを含むヒバ材での重金属吸着を試行し、ヒノキチオール錯体の関与を明らかにすることを目的とした。マンガンまたは銅水溶液に浸漬したヒバ材では、SEM-EDSでマンガンと銅は仮道管細胞壁ではほとんど検出されず、放射柔組織に局在して吸着することが明らかになった。しかし、心材と辺材の放射柔組織における重金属の量的な差異は観察されなかった。また、MALDI-TOF-MSにより銅ヒノキチオール錯体が心材で検出された。放射柔組織に吸着した重金属の一部はヒノキチオール錯体の可能性があるが、ほとんどは柔組織の細胞膜成分に吸着されたと考えられる。マンガンを含む坑水に浸漬したヒバ材では、柔組織にマンガンが局在して吸着し、とくに形成層から外樹皮で多く検出されたことから、樹皮を重金属吸着に応用する可能性が考えられた。本研究はJSPS科研費JP19H01161の助成を受けた。 |
著者氏名 | ○市原優1 ・ 山路恵子2 ・ 福山賢仁3 ・ 綱嶋康倫3 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 2筑波大学 ・ 3日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センター |
キーワード | ヒノキチオール, ヒノキアスナロ, 重金属 |
Key word | hinokitiol, Thujopsis dolabrata var. hondae, heavy metal |