第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T3. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PT3-13 |
発表題目 | 水生昆虫の枯死葉摂食による渓流の微細有機物生産と放射性セシウムの関係 Cs-137 in fine particulate organic matters produced by shredder of aquatic insect in a headwater stream |
所属 | 福島大学 |
要旨本文 | 山地渓流では、渓流内の一次生産力が低いため、渓畔林から渓流へ供給される枯死葉等の外来性有機物が重要な一次生産物の役割を担っている。そのため、渓畔林が放射性セシウムに汚染されると、外来性有機物に含まれる放射性セシウムが、食物網を介して渓流生態系にも移行していくと予測されるが、そのメカニズムについての情報は未だ少ない。渓流の食物網の中で、枯死葉を主な養分源としているカクツツトビケラ科の幼虫(カクツツ幼虫)は、放射性セシウムに汚染された枯死葉の影響を、摂食により直接受けると考えられる。そこで、飼育環境下で高濃度のセシウム137を含む枯死葉を摂食させることにより、枯死葉からカクツツ幼虫へ放射性セシウムが移行するプロセスを明らかにした。さらに、カクツツ幼虫から排泄される微細有機物は、渓流生態系の他の生物にとって養分源になるため、排泄物の放射性セシウム濃度も測定し、摂食から排泄までのプロセスを明らかにした。4時間~120時間の実験期間におけるセシウム137濃度は、摂食時間に関係無く、排泄物>枯死葉>カクツツ幼虫の傾向を示した。この実験では、カクツツ幼虫の放射性セシウムの生物濃縮が認められなかった。 |
著者氏名 | ○金指努 ・ 和田敏裕 |
著者所属 | 福島大学環境放射能研究所 |
キーワード | 落葉分解, カクツツトビケラ科, 渓畔林, 福島第一原子力発電所事故 |
Key word | Leaflitter decomposition, Lepidostomatidae, Riparian forest, Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident |