講演詳細

T3. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	543
講演番号	PT3-14
発表題目	福島の落葉樹林斜面における土壌137Cs蓄積量の時空間変動 Spatiotemporal variation in soil 137Cs inventory on deciduous forest slopes in Fukushima, Japan
所属	森林総合研究所
要旨本文	森林流域からの長期的な放射性セシウムの流出を予測するためには、森林斜面での降雨による土砂やリターの移動に伴う放射性セシウムの動態について明らかにする必要がある。本研究では、福島県伊達市霊山町上小国川上流の落葉広葉樹林斜面を対象とし、2017年から2022年の放射性セシウム（137Cs）の蓄積量の空間分布変動を計測し、2019年10月の台風による豪雨（80年確率の日雨量）による斜面での137Cs蓄積量空間分布の変動と河川への流出影響を検討した。2017年から2022年の5年間で斜面上部では137Cs蓄積量に大きな変化は見られなかったが、河道付近と斜面下部の急斜面において137Cs蓄積量が2017年の1/3程度に低下した。2017年から2022年の5年間で総蓄積量の17.5%の137Csが流出し、2017年時点の斜面上でのリター、土砂移動量を用いて予測した流出量の10倍の流出であった。これらの結果から、2019年10月の台風の豪雨時に、急斜面では雨滴侵食などによる土砂移動とともに137Csが河畔域に輸送され、さらに豪雨によって発生した洪水により河畔域の表層土壌が侵食されることにより大量の137Csが流出したと考えられる。
著者氏名	○小田智基1 ・ 大手信人2 ・ 田野井慶太朗3
著者所属	1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域 ・ 2京都大学大学院情報学研究科 ・ 3東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード	137Cs蓄積量, 広葉樹, 森林斜面
Key word	137Cs inventory, Deciduous forest, Forest hillslope