第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T3. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 543 |
講演番号 | PT3-15 |
発表題目 | 2022-2023年の葉・外樹皮が樹幹流放射性セシウム濃度に与える影響 Effects of leaves and outer bark on radiocesium activity concentration of stemflow in 2022-2023 |
所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 |
要旨本文 | 森林内の放射性セシウム(137Cs)循環プロセスの1つである樹幹流中の137Csは、主に外樹皮と葉からの137Cs供給バランスにより決まっている。福島事故後のこれまでの観測から、落葉広葉樹の樹幹流は、外樹皮からの影響を長期にわたり受けることが報告されてきた。その一方、落葉広葉樹であるコナラ外樹皮の137Cs濃度は指数関数的に減少し、葉の137Cs濃度はほぼ一定であることも報告されている。このことから、時間経過に伴い、外樹皮から樹幹流への137Cs供給の寄与は低下してきている可能性が考えられる。本研究では、外樹皮と葉のどちらが現時点における落葉広葉樹の樹幹流の137Cs供給源であるかを明らかにすることを目的に、2022年9-10月と2023年5-6月に、計10本の落葉広葉樹の樹幹流と葉・外樹皮の137Cs濃度との関係性を調べた。その結果、樹幹流の137Cs濃度が葉と有意な正相関関係にあるのに対し、外樹皮ではその関係が確認できなかった。このことから、福島事故から10年以上経過した現時点では、外樹皮から樹幹流への137Cs供給の寄与は相対的に低下し、葉からの寄与が主となっていると考えられた。 |
著者氏名 | ○坂下渉1 ・ 今村直広1 ・ 阪田匡司1 ・ 常岡廉2 ・ 篠宮佳樹1 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2東京大学大学院理学系研究科 |
キーワード | 放射性セシウム濃度, 樹幹流, 葉, 外樹皮, 落葉広葉樹 |
Key word | Radiocesium activity concentration, Stemflow, Leaves, Outer bark, Deciduous broad - leaved trees |