第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T3. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PT3-3
発表題目 事故後5年目の落葉除去がスギ材の放射性セシウム濃度に及ぼす影響
Effect of litter removal five years after the Fukushima accident on 137Cs activity concentration in Japanese cedar wood
所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
要旨本文 福島原発事故で森林内に沈着した放射性セシウム(137Cs)は、大部分が落葉層や鉱質土壌に蓄積している。落葉層の137Csが鉱質土壌に移行する前に落葉を除去することで樹木の137Cs吸収を低減できる可能性があり、落葉除去は事故後1–2年以内に行うのが効果的だと考えられていた。しかしながら、予備調査の結果、落葉の分解に伴う137Csの下方移動が緩やかなスギ林では、事故後5年経過後でも落葉除去による内樹皮137Cs濃度の低下がみられた。本研究では、スギ材の137Cs濃度への落葉除去の影響を調べるため、福島県川内村スギ林内において、2016年9–10月に落葉除去が施された部分と未処理部分にそれぞれ落葉除去区と対照区を設定した。2023年10月に、対照区と落葉除去区でスギの外樹皮、内樹皮、辺材および心材を採取し、137Cs分析に供した。その結果、事故後の直接沈着の影響の大きい外樹皮の137Cs濃度が落葉除去区と対照区で同程度だったことに対し、経根吸収の影響の大きい内樹皮の137Cs濃度は、対照区より落葉除去区で低い傾向がみられた。また、材の137Cs濃度にも落葉除去による低下の傾向が認められた。
著者氏名 ○大前芳美1 ・ 坂下渉1 ・ 阪田匡司1 ・ 今村直広2 ・ 三浦覚1 ・ 赤間亮夫3 ・ 篠宮佳樹1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所震災復興・放射性物質研究拠点 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所 ・ 3元国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所震災復興・放射性物質研究拠点
キーワード 福島原発事故, 放射性セシウム, 落葉除去, スギ, 材
Key word Fukushima nuclear accident, Radioactive cesium, Litter removal, Japanese cedar, Wood