講演詳細

T3. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	543
講演番号	PT3-4
発表題目	林床管理の違いが分解にともなう落葉中の放射性セシウム濃度に及ぼす影響 Effects of difference in forest floor management on the concentration of radiocesium in decomposing litter
所属	くまの木里山応援団
要旨本文	栃木県塩谷町にあるゴルフ場所有のコナラが優占する里山林のうち，毎年落ち葉かきを実施している場所（ゴルフ区）とこれまで落ち葉かきを実施していない場所（里山区）において，1m×1m，深さ30cmの底の開いた木枠を設置し，2023年3月に林床に堆積している落葉をかき集め，各調査区に4か所木枠内に収まるように敷き詰めて有機物分解させた。3か月ごとに分解中の落葉を回収し、重量と放射性Cs (134Cs+137Cs)濃度をガンマカウンターで測定した。重量残存率はゴルフ区，里山区ともに違いはみられなかった。ゴルフ区の林床に堆積している落葉の放射性Cs濃度および量は里山区の0.2倍であった。ゴルフ区の分解にともなう落葉中の放射性Cs濃度および量は里山区の0.3倍であった。分解にともなう落葉中の放射性Cs量はゴルフ区，里山区ともに違いがみられなかったことから，表層土壌からの微生物による放射性Csの取り込みは少ないことが推察された。ゴルフ区のリターフォール中のコナラ落葉や当年枝の放射性Cs濃度は里山区の0.1倍であることから，落ち葉かきの継続実施により，コナラ樹体内の放射性Csの循環が小さくなり，落葉堆肥の放射性Cs濃度が低下すると推察された。
著者氏名	○市川貴大1 ・ 逢沢峰昭2 ・ 大久保達弘2
著者所属	1くまの木里山応援団 ・ 2宇都宮大学農学部
キーワード	落葉, 堆肥, 放射性物質, 里山, 林床管理
Key word	leaf litter, decomposing litter, radiocesium concentration, satoyama, forest floor management