第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T5. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 542
講演番号 PT5-10(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 ヒノキ林表層土壌における脱落根採取法の提案
Suggestion of a method for collecting fine root litter in the surface soil of a Chamaecyparis obtusa stand
所属 名古屋大学大学院
要旨本文  直径2㎜以下の樹木細根は森林の純一次生産量の約22%を占め、養水分吸収や輸送を行うなど森林生態系において重要な役割を果たす。細根は葉と同様に脱落し土壌で分解・蓄積され土壌有機物の主要な供給源になる。しかし細根脱落過程の理解はあまり進んでいない。 演者らはこれまでに、脱落根採取法として既存のガラスビーズ入り遠沈管を用いた方法(ガラスビーズ法)に対し、メッシュ袋を用いた採取法(メッシュ袋法)を新たに開発した。両法の脱落根採取装置を幸田モニタリングサイトに生育するヒノキ 細根について、3次根程度までの細根系を各個体から切り離さずに設置し現地培養を行った。その結果、両法で脱落根採取が可能であることを明らかにした。またメッシュ袋法ではガラスビーズ法に比べ装置の入れ替えが容易であり、供試する細根系サイズを大きくできる可能性を示した。そこで本研究では、さらに大きなメッシュ袋を用いて直径2㎜までの細根系全体を現地培養し脱落過程を明らかにすることで、安定的に脱落根を現地採取する方法の確立を目的とした。その結果、幸田ヒノキ林にて大きなメッシュ袋で小さなメッシュ袋と同様に脱落根採取が可能であることを明らかにした。
著者氏名 ○黒見信輔1 ・ 杁山哲矢1 ・ 金子祥也1 ・ 柳瀬亮太1 ・ 谷川東子2 ・ 平野恭弘1
著者所属 1名古屋大学大学院環境学研究科 ・ 2名古屋大学大学院生命農学研究科
キーワード 枯死根, ネクロマス, ターンオーバー, NPP, 次数分類
Key word dead fine roots, necromass, turn over, NPP, branch order