講演詳細

T5. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	542
講演番号	PT5-2
発表題目	日本の森林生態系における土壌深度別の細根形質と土壌栄養塩可給性との関係 Relationships between fine root traits and soil nutrient availability along soil vertical profiles in Japanese forests
所属	山梨大学
要旨本文	樹木細根（直径2mm以下の根）は、森林生態系の炭素循環に大きく貢献する。細根は土壌栄養塩吸収の役割も担い、その動態は土壌の栄養塩可給性にも影響を受ける。樹木は周囲の環境の変化に合わせて、樹木全体の生産を最大にするように地下部動態を変化させており、生態学的にもその重要性が着目されている。そのため森林生態系における細根動態に関する研究は現在活発に行われ、データの蓄積が進んでいる。その中で、日本においてはスギ林などの人工林などのデータの蓄積が進む一方で自然林における林分レベルのデータは少ない。本研究は、日本の自然林における土壌深度別の細根現存量と根形質とその分布を決定する環境要因を明らかにすることを目的とした。日本の森林の中で、北海道から鹿児島県までの気候帯の異なる20の森林を調査地とした。各調査地で30m×30mの範囲から土壌コア法により30㎝までの土壌を採取し、土壌の深さごとに3層に分け、各層ごとの細根の現存量および細根形質（根長/根重比）、炭素・窒素・リン濃度を調べた。これらの細根形質が環境要因（気温、森林タイプ、土壌の栄養塩可給性など）とどのように関係しているのかについて調べ、考察する。
著者氏名	○向井真那1 ・ 佐々木真優2 ・ 北山兼弘2
著者所属	1山梨大学生命環境学部 ・ 2京都大学大学院農学研究科
キーワード	土壌, 細根形質, 窒素, リン
Key word	Soil, fine root traits, nitrogen, phosphorus