講演詳細

T5. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	542
講演番号	PT5-4（学生ポスター賞審査対象）
発表題目	中央アルプスの亜高山帯林における標高勾配に沿った土壌呼吸および根呼吸 Soil and root respiration along an elevation gradient in subalpine forests in the Central Japan Alps
所属	信州大学
要旨本文	森林生態系における炭素排出の主要因の一つである土壌呼吸(Rs)は、従属栄養呼吸(Rh)と根呼吸(Ra)から成る。RhとRaは呼吸の基質だけでなく温度感受性等の環境への応答もそれぞれ異なるため、土壌呼吸に対する温暖化の影響を予測するには、これらを個々に検討する必要がある。本研究では、西駒ステーションの亜高山帯常緑針葉樹林において土壌呼吸を構成するRhとRaが標高勾配による温度差に対してどのような応答を示すかを明らかにすることを目的とした。3つの固定試験地(2000区、2200区、2400区)において、呼吸速度の測定を2023年7月～10月にかけて行った。Rhは根除去処理にて測定し、RaはRsとRhの差分として算出した。また、除去根の絶乾重を直径階級別に測定した。Rs10とRh10は標高が高いほど大きい値を示したが、Ra10は標高勾配による明瞭な傾向は見られなかった。地温から推定される年間積算呼吸量から算出したRaの寄与率は13～17％で、標高勾配による明瞭な傾向は見られなかった。細根のバイオマスは2200区と2400区がほぼ等しく、2000区がこれより大きい値を示した。今後、Raと細根バイオマスの季節変動や成長・枯死との関連についても調査していく予定である。
著者氏名	○坂本小雪1 ・ 小林元2
著者所属	1信州大学農学部 ・ 2信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
キーワード	細根バイオマス, 地温, 土壌微生物呼吸, Q10, R10
Key word	Fine root biomass, Soil temperature, Soil microbial respiration, Q10, R10