講演詳細

T5. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	542
講演番号	PT5-5
発表題目	スギ林における根の土壌補強強度を推定する Estimation of Soil Reinforcement by Roots in Cryptomeria japonica stands
所属	兵庫県立農林水産技術総合センター
要旨本文	崩壊防止力のうち樹木根系の土壌補強強度の評価には土壌断面調査が必要である。一方、樹木地上部特性から土壌補強強度を推定できれば、非破壊という点で崩壊発生予測に有益である。本研究は、スギ複数個体の根系調査からDBHをパラメータとした個体スケールの土壌補強強度の空間分布推定式を提案し、林分スケールにおける土壌補強強度を推定することを目的とした。また上記の推定式を実際のスギ林に適用し、補強強度の実測値と比較し、精度検証することも目的とした。兵庫県内2林分から9個体のスギ根系を掘り出し、幹中心から50 cm間隔で水平距離50～200 cmの同心円測線下において直径階別根系分布を調査し、単位面積当たりの根の土壌補強強度を算出した。算出値からスギのDBHと幹中心からの距離を応答変数にした根の土壌補強強度の推定式を作成した。さらにこの推定式を、個体位置とDBH情報を持つスギ林分（15×25 mの2プロット）に適用した。またこの2プロット内6か所において幅4.0 m×深さ0.3 mの土壌断面を調査し、得られた根の土壌補強強度の実測値と上記の推定値を比較した。その結果、実測値と推定値には正の相関傾向が見られ、推定値が1.1～2.9倍程度大きくなった。
著者氏名	○藤堂千景1,2 ・ 山瀬敬太郎1 ・ 池野英利3 ・ 谷川東子4 ・ 大橋瑞江5 ・ 檀浦正子6 ・ 平野恭弘2
著者所属	1兵庫県農林水産技術総合センター森林林業技術センター ・ 2名古屋大学大学院環境学研究科 ・ 3福知山公立大学情報学部 ・ 4名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 5兵庫県立大学環境人間学部 ・ 6京都大学大学院農学研究科
キーワード	引き抜き抵抗力, RBMw, 表層崩壊, 根直径, 根系分布
Key word	pull out resistance, root bundle mode, shallow landslide, root diameter, root distribution