第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S10. 木質バイオマス燃料供給の現状とこれからの木質バイオマスの可能性[Current status of woody biomass fuel supply and the future potential of woody biomass]

日付 2024年3月8日
開始時刻 9:00
会場名 442
講演番号 S10-6
発表題目 木質バイオマスガス化発電に適した燃料供給の現状と課題
Current status and issues on fuel supply for wood biomass gasification CHP
所属 国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所
要旨本文 2050年までにネットゼロを達成することが目標として定められたことから、電力供給に占める木質バイオマスの割合は、2021年の3.2%を5%にまで引き上げることが目標とされた。これだけで膨大なバイオマスが追加で必要となるが、さらに航空・船舶用のバイオ燃料の需要が急増しつつある。これまで、高いエネルギー効率を実現できる熱電併給(CHP)は、欧米では政策的に導入されてきたが、日本においても、小型で発電効率20%以上を実現できるガス化CHPの導入が増えてきた。しかし、タールやクリンカーによるトラブルが多発しており、平均設備利用率は58%に届いておらず、また、廃熱は燃料チップ乾燥に使うだけの施設がほとんどであり、十分な採算がとれていない可能性が高いと推計された。また、チップサイズが設備の要求する規格より細かいことがトラブルの主要因である可能性が高いことや、チップ乾燥が適切に行われていないことが明らかとなった。他にも、高い濃度の無機成分や熱処理の設計ミス等が稼働率低下に関与している可能性が示唆された。なお、本研究は生研支援センター 「イノベーション創出強化研究推進事業」(JPJ007097)の支援を受けて行った。
著者氏名 ○久保山裕史1 ・ 柳田高志1 ・ 古俣寛隆2 ・ 藤本清彦1 ・ 髙田依里1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場
キーワード 木質バイオマス, エネルギー利用, 燃料供給, ガス化CHP, 燃料チップの品質
Key word wood biomass, energy utilization, fuel supply, gasificaiton CHP, qualities of fuel chip