第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S11. 生理部門企画シンポジウム「スギを語る」とポスター紹介[Tree Physiology Division Symposium: Talking about Japanese cedar, and poster introduction]

日付 2024年3月8日
開始時刻 9:00
会場名 341
講演番号 S11-2
発表題目 モデル植物としてスギを使う~針葉樹における新奇の光合成代謝の解明を例に
Utilization of Japanese cedar as a model plant–For elucidation of the novel photosynthetic metabolisms of conifers.
所属 森林研究・整備機構 森林総合研究所
要旨本文 近年、多くの遺伝子情報がインターネット上で公開され、代謝にかかわる酵素タンパク質を構築するアミノ酸配列について、様々な植物間で比較することが可能となってきた。その結果、裸子植物である針葉樹と被子植物とでは、光呼吸に関わるグルタミン合成酵素やカタラーゼの細胞内局在部位が異なることが明らかになってきている。また、針葉樹は、被子植物にはない、ラン藻などに特徴的な酸素分子を還元し水分子を生成するFLVタンパク質を有している。これらの結果は、被子植物であるシロイヌナズナなどのモデル植物を利用して明らかにされてきた光合成の代謝メカニズムが、針葉樹には必ずしもあてはまらないことを示唆する。加えて、針葉樹の光合成の代謝メカニズムを明らかにするためには、針葉樹独自のモデル植物が必要なことも意味している。最近になって針葉樹であるスギの全ゲノム情報が解明・公開され、さらにゲノム編集技術等によって発現遺伝子を操作した遺伝子組換え体を作製することも可能となってきた。針葉樹の光合成の代謝メカニズムを明らかにするため、スギを用いた私たちの取り組みを紹介したい。
著者氏名 ○宮澤真一1 ・ 西口満1 ・ 大宮泰徳2 ・ 上野真義1 ・ 丸山E.毅1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
キーワード 針葉樹, 光合成, 遺伝子組換え, 代謝, スギ
Key word conifer, photosynthesis, transgenic, metabolism, Cryptomeria japonica