第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S2. 都市住民の森林への訪問をめぐる研究の可能性と課題[Possibilities and Tasks of Academic Research on Visits to Forests by Urban Residents]

日付 2024年3月8日
開始時刻 9:00
会場名 441
講演番号 S2-3
発表題目 都市および地方居住者の自然・森林に抱く愛着
Attachment of urban and rural residents to nature and forests
所属 森林総合研究所
要旨本文 自然への愛着は、当人が森林を継続的に知覚、体験することにより形成される。環境配慮意識や森林訪問意欲の増進に関わる心理であり、それを評価可能とすれば森林と人の関わりあいを理解し、森林環境教育や森林セラピー等の効果増進について検討できるようになると期待される。しかし、自然や森林に対する愛着を具体的に定義し、日本人の感覚や価値観と整合するような心理評価尺度が明確に存在しているわけではなく、その作成と精度検証が求められている。そこで、本発表では、自然への愛着に関する都市と地方の比較調査について報告し、都市住民の森林訪問に関連する心理的特徴を検討することとした。調査結果からは、既往研究と同様、地方で生まれ育った者の方が自然への愛着は高い傾向を認め、また、大学進学などのきっかけで移住した者より地方に留まる者の方が環境保護の対象として自然や森林を捉える意識が強かった。これは、環境教育受講者や森林レンタルサービス利用者への調査においても同様であった。愛着の高低には、環境保護を志向するような愛着が関連する可能性が高く、また、それ以外の愛着の内容にも森林訪問意欲に関わる内容が考察されるものだった。
著者氏名 ○大塚啓太
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林管理研究領域
キーワード 自然・森林への愛着, 身近な自然, 心理測定質問紙調査
Key word Attachment to nature and forests, Familiar Nature, Psychometric questionnaire survey