第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S3. 昆明・モントリオール生物多様性枠組実現に向けた産学官の役割:方法論の議論を中心に[The Role of Industry, Academia, and Government in Realizing the Kunming-Montreal Global Biodiversity Framework: Focusing on Methodological Discussions]

日付 2024年3月8日
開始時刻 9:00
会場名 432
講演番号 S3-5
発表題目 ビッグデータを用いた国立公園利用の経済分析
Economic analysis of the use of national parks using big data
所属 上智大学
要旨本文 都市公園や国立公園の管理において、訪問者の行動を把握するためのモニタリングは重要である。これまでは、現地調査や赤外線カメラによるモニタリングが行われてきたが、近年、ビッグデータが利用可能となり、新たな方法によるモニタリングへの関心が高まっている。そこで、本報告では、富士山を事例として、訪問者の行動を把握するためにモバイルGPSデータを活用した分析を紹介する。第一に、GPSデータと環境省の赤外線カウンターのデータの比較から、両者に強い正の相関があることを示す。第二に、GPSデータを用いた統計分析により、登頂をキャンセルする行動は日降水量と正の相関があり、週末・休日および旅行距離と負の相関があることを示す。第三に、GPSデータを用いた統計分析により、登頂する訪問者は自宅からより近い登山口を選択する確率が高いこと、旅行距離が増えるにしたがって自宅から近い登山口を選択する確率が低くなること、および週末や休日にはより近い登山口を選ぶ確率が高くなること等を示す。最後に、GPSデータを用いて把握した訪問者の行動のデータにトラベルコスト法を適用して推計した登山口ごとのレクリエーション価値(消費者余剰)を報告する。
著者氏名 ○柘植隆宏1 ・ 康傑鋒1 ・ 廖佳佳2 ・ 久保雄広2
著者所属 1上智大学 ・ 2国立環境研究所
キーワード 国立公園, ビッグデータ, トラベルコスト法, 経済分析
Key word National parks, Big data, Travel cost method, Economic analysis