第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S3. 昆明・モントリオール生物多様性枠組実現に向けた産学官の役割:方法論の議論を中心に[The Role of Industry, Academia, and Government in Realizing the Kunming-Montreal Global Biodiversity Framework: Focusing on Methodological Discussions]

日付 2024年3月8日
開始時刻 9:00
会場名 432
講演番号 S3-6
発表題目 スマートフォンによる市民参加型生物多様性モニタリング
community-science based biodiversity monitoring with smartphones
所属 株式会社バイオーム
要旨本文 生物多様性データは不足しており,保全の計画立案や企業の情報開示のボトルネックの一つとなっている。実地調査に労力・費用がかかり,かつ生物種の同定が難しいこと,生態系は地域ごとに異なり,他の地点で代替することが難しいことなどから,利用できる生物データが限定的になってしまう。データ不足の解決には,過去の調査データ等の掘り起こしに加え,市民から生物の発見情報を広く募ることも重要になると考えられる。発表者は,生物多様性モニタリング手法の開発を目指し,市民が撮影した位置情報付きの生物画像を収集する取り組みを実施してきた。生物データ投稿機能を備えたアプリ「Biome」を2019年に公開し,これまでに国内で4万種を超える生物データが630万件以上投稿されている。収集したデータを基に,種分布モデリングを行い,推定された種の生息ポテンシャルの結果から生物多様性の評価や外来種の侵入リスクの特定などを行っている。これらは,情報開示や優先的に保全すべき地域の選定などに活用されている。市民データを活用することで,生態系の保護,管理,回復計画の策定や,企業の収益と環境配慮を両立させた事業の基盤を築くことができる可能性がある。
著者氏名 ○藤木庄五郎
著者所属 株式会社バイオーム
キーワード 市民科学, 生物多様性, ビッグデータ, AI
Key word community science, biodiversity, big data, AI