第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T1. 生物多様性保全と森林管理[Biodiversity conservation and forest management]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | 15:00 |
会場名 | 432 |
講演番号 | T1-3 |
発表題目 | 温帯二次林における甲虫群集の垂直・水平分布 Vertical and horizontal distribution of beetle assemblages in a temperate secondary forest |
所属 | 東京農工大学大学院 |
要旨本文 | 森林の垂直構造は、節足動物の垂直分布に大きな影響を与える。森林の垂直層間での節足動物群集の差異は、多数の報告があるが、その差異の特徴を記したものは少ない。加えて、森林の階層間で水平的な分布パターンにおいても差異があるものと推察されるが、不明な点が多い。そこで本研究では、森林の垂直階層間の甲虫群集の差異の特徴と森林の垂直層間の水平分布パターンが異なるのかを明らかにすることを目的とした。2022年6月~10月にかけて、東京都内の温帯二次林の37地点で、林冠(約8 m)と下層(約1 m)で甲虫を衝突板トラップにて採集した。得られたデータから、1.群集組成の垂直層間の違い、2.垂直層間での水平的な群集の違い(β多様性)を解析した。調査の結果、垂直層間で甲虫群集の組成が異なり、出現種数は林冠より下層の方が多かった。垂直層間の群集の差異は、個体数よりも、種の入れ替わりによるものの方が大きかった。そして、林冠の群集は、下層の群集よりも地点間で(水平的に)異なる傾向にあった。以上より、温帯林の甲虫群集は垂直的に出現種が入れ替わる特徴があり、林冠でより高いβ多様性を持つことを明らかにした。 |
著者氏名 | ○石塚達也1 ・ 吉田智弘2 |
著者所属 | 1東京農工大学大学院農学府 ・ 2東京農工大学農学部FSセンター |
キーワード | 垂直分布, 生物多様性, 森林昆虫 |
Key word | vertical distribution, biodiversity, forest insect |