第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T1. 生物多様性保全と森林管理[Biodiversity conservation and forest management]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | 15:45 |
会場名 | 432 |
講演番号 | T1-5 |
発表題目 | 樹種混植と施肥が個体成長に及ぼす影響-幼齢樹木多様性実験の結果から- Effects of species mixing and fertilization on individual tree growth -outcomes from a young tree diversity experiment- |
所属 | フライブルク大学 |
要旨本文 | 単純林に比べ,複数の樹種で構成される混交林で炭素吸収機能が高まる現象,「過剰収量」が報告されている。林分レベルの過剰収量の強弱は樹木個体間の相互作用や非生物的環境に依存するが,そのメカニズムの実験的検証は著しく乏しい。本研究は独・フライブルク市の国際樹木多様性実験ネットワーク「TreeDivNet」の一試験地を対象とし,樹種混植と土壌の養分可給性が樹木個体の成長に与える交互作用効果を検証した。具体的には,ヨーロッパ主要樹種6種を対象に、単一の種で構成される単植区と混植区(2種、4種混合)を設置し、それぞれに施肥・無施肥区を設けた。樹木サイズと林分密度の効果を除いた上で,処理区間で植栽後4年目の年間成長量を比較した。その結果、施肥の有無によらず,葉への投資(単位地上部バイオマスあたりの葉面積)が少ない個体は葉への投資が多い個体に比べてわずかに高い過剰収量を示した。葉への投資が少ない個体・樹種の成長増加は混植区の林分成長量に大きく寄与していた。一方で,個体間の林分成長量への貢献度の差は施肥によって軽減された。以上の結果は,土壌養分環境が混交林の炭素吸収機能に与える影響の評価・予測に貢献すると期待される。 |
著者氏名 | ○齋藤大1 ・ Friderike Beyer1 ・ Grégoire T Freschet4 ・ Charles Nock3 ・ Michael Scherer-Lorenzen2 ・ Jürgen Bauhus1 |
著者所属 | 1フライブルク大学環境資源学部造林学研究室 ・ 2フライブルク大学生物学部生物地理学研究室 ・ 3アルバータ大学農業・生命・環境科学学部,再生可能資源学科 ・ 4フランス国立科学研究センター理論実験生態学ステーション |
キーワード | 樹木多様性実験, 施肥, 機能形質, TreeDivNet, IDENT |
Key word | Tree diversity experiment, Fertilization, Functional trait, TreeDivNet, IDENT |