第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T5. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付 2024年3月8日
開始時刻 15:00
会場名 341
講演番号 T5-3
発表題目 アラスカ永久凍土上に生育する3樹種の側根発生位置と肥大成長量の経時変化
Chronological changes of lateral rooting depth and radial growth of three species growing on Alaskan permafrost soils
所属 信州大学
要旨本文 大量の地下部炭素蓄積や側根による水平方向への根系発達が特徴的な凍土分布域の森林における炭素蓄積の変化の予測に寄与するため,本研究は3樹種を対象に側根の発生位置や肥大成長量の経時変化を明らかにすることを目的とした。そこで①火災後に更新した16~18年生のブラックスプルース,アメリカヤマナラシ,アラスカカンバから2022年に,②生育条件の異なる北東斜面(A0層が深く土壌が低温,ブラックスプルースが優占する)と東斜面(A0層が浅く広葉樹が優占する)に生育する約100年生のアラスカカンバから2023年に側根の円盤を採取し,年輪解析により側根の発生位置と肥大成長の経時変化を明らかにした。①スプルースはA0層,広葉樹2種は鉱物質層へ側根を発生させたが,どの樹種でも側根発生位置の経時変化はほとんど認められなかった。広葉樹では6年生頃から側根の肥大成長が急増した。②北東斜面では1980年頃から側根発生位置が上昇し,肥大成長が停滞する側根が土壌下部で増加した。東斜面でも同様の側根発生位置の変化を示す個体があったが,その傾向は北東斜面ほど明確でなかった。肥大成長が停滞し始めた側根は北東斜面より少なかった。
著者氏名 ○菊川拓聖1 ・ 松浦陽次郎3 ・ 大橋伸太4 ・ 安江恒2
著者所属 1信州大学農学部 ・ 2信州大学先鋭領域融合研究群 山岳科学研究拠点 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所戦略研究部門 生物多様性・気候変動研究拠点 ・ 4国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所木材加工・特性研究領域
キーワード アラスカ, 永久凍土, 根系, 年輪解析
Key word Alaska, permafrost soil, root system, tree-ring analysis