第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T5. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | 15:15 |
会場名 | 341 |
講演番号 | T5-4 |
発表題目 | 13Cラベリングによるカラマツ粗根の年輪への光合成産物配分の季節変動 Seasonal variation in photosynthate allocation to tree-rings of larch coarse roots by 13C labeling. |
所属 | 信州大学 |
要旨本文 | 粗根(直径> 2 mm)は光合成産物の貯蔵機能や養水分の通水機能など間接的に地上部の資源量や成長に深くかかわっている.そのため地上部の成長を知るには,樹幹だけでなく粗根の成長過程やそのメカニズムの解明が必要である.本研究は,カラマツの粗根における季節ごとの成長率および光合成産物の配分の季節動態を解明すること目的とした.地上部のフェノロジーに応じた各期間中(展葉期,着葉期,落葉期)に13CO2パルスラベリングを行った.これにより光合成産物の粗根年輪内での行方が追跡可能になった.また同粗根に対し, 定期的に傷をつけた.採集後,実験室にて木口面の傷害部から一定期間の成長率,傷のない木口面断面から年輪幅を測定した.また最外部から中心に向かって3年年輪分の炭素安定同位体比を測定した.粗根において,展葉期と落葉期の光合成産物は粗根へ配分されていなかった.着葉期の光合成産物は,ラベリング当年に形成された年輪だけでなく,前年に形成された年輪の最外部に存在が確認された.展葉を終え地上部への炭素配分の優先度が低くなった着葉期には,年輪を形成する仮道管だけでなく貯留の機能を担う放射柔細胞に配分された可能性が示唆された. |
著者氏名 | ○木元茉子1 ・ 牧田直樹1 ・ 安江恒2 |
著者所属 | 1信州大学総合理工学研究科 ・ 2信州大学農学部 |
キーワード | 13CO2パルスラベリング, 粗根, 年輪, 光合成産物配分 |
Key word | 13CO2 pulse labeling, coarse roots, tree-rings, photosynthate allocation |