第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
風致・観光部門[Landscape Management and Tourism]
日付 | 2023年3月27日 |
---|---|
開始時刻 | 10:15 |
会場名 | Room 2 |
講演番号 | B10 |
発表題目 | 武蔵府中大國魂神社社叢の樹種構成と過去約200年の変化 Tree species composition in the shrine grove of Ohkunitama-Jinjya, Musashi-Fuchu, and its serial change during 200 years |
要旨本文 | 武蔵国の国衙の斎場に由来するとされる東京都府中市の大國魂神社は,多摩地域では最大規模の社叢をもつ.本研究では,2020年に行った毎木調査データから現在の大国魂神社社叢における樹種構成を明らかにするとともに,1815年以降3回の樹木調査の記録と比較することで,およそ200年間にわたる樹種構成の変化を明らかにした.約4haの神社境内に生育する直径20cm以上の樹木は564本で,落葉広葉樹が胸高断面積比で74%を占めており,なかでもケヤキが56%と半分以上を占めていた.1815年の記録における「目通り5尺」の測定基準に合わせて,直径48cm以上の樹木の本数を年代間で比較したところ,1815年の9種435本から,1913年には11種367本,1973年には11種89本と減少し,2022年には18種277本と再び増加していた.これは主に,当初は全体の80%を占めていたスギが1970年代までにほとんど枯死した後,ケヤキ,ムクノキなどが増加したことによるもので,昭和の期間に針葉樹林から落葉広葉樹林の社叢に移り変わったといえる.シラカシやスダジイは少しずつ増加してはいるものの,過去200年で常緑広葉樹が優勢な社叢が成立したことはなかった. |
著者氏名 | ○吉川正人 ・ 八木正徳 ・ 広岡佐和子 |
著者所属 | 東京農工大学大学院農学研究院 |
キーワード | 社叢, 潜在自然植生, ケヤキ, スギ |
Key word | shrine grove, potential natural vegetation, Zelkova serrata, Cryptomeria japonica |