第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
風致・観光部門[Landscape Management and Tourism]
日付 | 2023年3月27日 |
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開始時刻 | 10:30 |
会場名 | Room 2 |
講演番号 | B11 |
発表題目 | 昭和中期の富山県氷見市におけるボカスギ林業地の重層的土地利用 Multi-layered land use on Bokasugi forestry area in Himi city, Toyama prefecture in the middle of the Showa period |
要旨本文 | 富山県氷見市を中心とするボカスギ林業地は明治期から昭和中期にかけて造林され、主に電柱材として利用されてきた。ボカスギ林業の特徴は短伐期施業である点、および植林後数年間、株間に作物を育てる間作を行っていた点である。しかし、間作の具体的形態やルールに関する記録やその文化的評価についての研究は限られている。林業遺産に代表されるような伝統的林業技術への関心が高まる中、地域林業が有する価値を明らかにすることはその保全や活用を進めるうえで重要なステップである。 本研究ではボカスギ造林地における重層的な土地利用の実態と価値を明らかにするため、既存の文献資料の分析や氷見市仏生寺大覚口集落での住民への聞き取り調査を行った。 昭和中期頃の仏生寺大覚口集落では個人所有の山林約10 haが、間作を伴うボカスギ造林地として利用されていた。当該山林では集落内の女性が間作により農作物を収穫し、森林所有者は下草刈りやつる伐り等の管理の手間を省くことができた。利用は固定されたメンバーシップに限られており、耕作地が限られる山村での食料生産を補完しつつ、育林の労力を軽減する関係を形成していた。 |
著者氏名 | ○池田俊寛1 ・ 奥敬一2 |
著者所属 | 1富山大学大学院芸術文化学研究科 ・ 2富山大学学術研究部芸術文化学系 |
キーワード | ボカスギ林業, 間作, 焼畑, 文化的価値, 重層的土地利用 |
Key word | Bokasugi forestry, Inter-cropping system, Swidden cultivation, Cultural values, Multi-layered land use |