第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

風致・観光部門[Landscape Management and Tourism]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-034
発表題目 巨木が日本人に与えるイメージに関する考察
A study on the image that giant trees give to Japanese people
要旨本文 人間と関わりを持つ巨木の伝説は世界各地にあるが、日本においても多くの巨木が信仰の対象となり故事伝承を持ち地域の人々と深く繋がっている。巨木の存在が人々の生活や地域社会の連帯にも影響を与えている場合も見られる。そこで、本研究では巨木の何が日本人にそのような精神的な効果を及ぼすのかを検討した。地上 1.3m の位置で幹周が3m 以上を巨木の基準とし、国指定天然記念物に指定されている個体を中心に分析した結果、巨木の印象は単純な大きさに加え幹周と樹高とのバランスによっても変化する可能性があること、樹冠や樹幹の形状などが圧倒感や神秘性、希少性などのイメージを抱かせること、多くの巨木が伝説・伝承と結びついて神格化されていること、地形や社寺の存在など立地条件にも特徴があること、などがわかった。巨木は地域のランドマークとしての存在からやがて人々の意識の中になくてはならない存在となり、高い場所から集落を俯瞰するというイメージが、人々の生活を見守る神様と重なって神格化されていった可能性は高い。巨木の存在と日本人の生活は、お互いに影響し合って築かれてきた関係でありそれゆえに「特別なもの」となってきた可能性がある。
著者氏名 ○蔡寧馨1 ・ 石橋整司2 ・ 齋藤暖生3 ・ 藤原章雄4
著者所属 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林田無演習林 ・ 3東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林富士癒しの森研究所 ・ 4東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林フィールドデータ研究センター
キーワード 巨木, 特別天然記念物, 伝承, 文献調査, 行動調査
Key word giant trees, Special Natural Monument, lore, biblographic survey, behavioral survey