第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
風致・観光部門[Landscape Management and Tourism]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 541 |
講演番号 | PB-11 |
発表題目 | 土地所有からみたヨーロッパ諸国における都市林の生成と発展 The formation and development of urban forests in European countries from the perspective of land tenure |
所属 | 東京大学 |
要旨本文 | 本研究は、土地所有権に着目し、中世から19世紀末にかけてのヨーロッパ都市林の出現と発展過程について検討した。中世では、土地は主に王室と教会が所有し、都市内の木々はほとんどが私的な庭園にあり、近郊の森は王室の狩猟地だった。この時期、都市の木々は宗教団体もしくは上層階級の生活に自給自足的に使われた。ルネサンス期には、新興商人階級、すなわち新贵族が、土地を購入し、庭付きの別荘を建設することで、富と地位を示すようになった。イタリア統一後、多くの貴族庭園が公共財産として政府に寄付された。17世紀には、フランスの都市景観が模範とされ、バロック庭園がヨーロッパ中に広まった。都市化と産業革命の進展に伴い、特に下層階級を中心とする公共の緑地に対する需要が急速に高まった。イギリスの王立公園とコモンズは、法的な整備などを通じて、一般に公開された。この時期、都市内の土地所有権の多様化が樹木の異なる立地での発展を促進し、商業施設に付帯する緑地や公園など都市林のタイプも多様化した。本研究によって、都市林が私的な存在から公共的な存在へと変化する過程が確認された。 |
著者氏名 | ○胡睿喆1 ・ 齋藤暖生1,2 |
著者所属 | 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2東京大学樹芸研究所 |
キーワード | 土地所有権, 都市林, ヨーロッパ |
Key word | Land tenure, Urban forest, Europe |